足利直義 歴史人物シリーズ139

室町幕府初代将軍足利尊氏の同母弟。
元弘の乱で兄の尊氏に従って北条氏から離反し、後醍醐天皇や兄と共に鎌倉幕府を滅ぼした。
建武の新政では兄と同様、後醍醐から多大な恩賞を受け、成良親王を奉戴して鎌倉将軍府の事実上の長を務めたが、中先代の乱では北条時行に敗退。鎌倉撤退の混乱の中、後醍醐皇子で前征夷大将軍の護良親王を殺害した。
その後、湊川の戦いでは高師泰と共に名将楠木正成を討ち取る武功をあげた。
尊氏が征夷大将軍に就くと、「征夷将軍と武衛将軍、兄弟両将軍」「副将軍」「三条殿」と称されて実質的な幕政の最高指導者となり、卓越した政治的手腕によって幕政の礎を築く。
しかし、執事の高師直との間で、政策や養子の直冬の処遇を巡る対立関係が発生、観応の擾乱に発展し、最終的に薩埵峠の戦いで尊氏に敗れ、鎌倉に蟄居。政敵の師直が暗殺された丁度一年後という日付に急死を遂げた。
冷静沈着・実直な人間であったとされ、室町幕府の成立は名政治家である直義の手腕に大きな部分を負っている。
禅宗を篤く敬って庇護し、 後醍醐帝鎮魂のため、尊氏・夢窓・光厳と共に天龍寺を創建した。
また兄に次ぐ優れた武家歌人でもあった。

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